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2006.03.05

落語ブームについて

新宿末広亭で落語を

 昨年の秋、上京した折、いつものように新宿末広亭に行きました。折からの、落語ブームからか、少しお客さんの数も増えたかなと思いつつ落語や色物を聴いていました。

dsc_1346_syukusyoumoji  土曜日の夜席ですから、平日の夜席よりも多いのは当然です。平日の末広亭の夜席は、客の数が10人くらいと言う日もありましたから、その頃から比べると、このごろの寄席の盛況はまずはめでたいというところでしょう。

深夜寄席には長蛇の行列

 夜席のトリも終わると、急にアナウンスがあり、「今夜は「深夜寄席」があるので、時間のある方はどうぞ聞いてやってください」というものでした。どうも、若手の落語家の勉強会のようなものらしいものでした。

 寄席を聞いているとよく思うのですが、若手の落語家の落語と言うものは、えてして面白くないものが多く、やはりベテランの芸の方が深みや話術も巧みで聞いて楽しいものです。

img_2159_syukusyoumoji  そういったことから、若手の勉強会を聞いても仕方がないなと思い外に出てみるとビックリしました。その深夜寄席のために、長蛇の列ができていたのです。末広亭から延々と100人以上はいそうです。こんなにも末広亭に入るのかなと思ったくらいです。

落語ブームは本当なのか

 思えば、昨年の3月には、林家こぶ平が林家正蔵を襲名しました。また、「タイガー&ドラゴン」というドラマでも落語に注目が集まりました。

 そして春風亭小朝が音頭を取って、鶴瓶、昇太、正蔵、志の輔、花禄で結成した「六人の会」などの活動も、落語ブームを加速させたのかもしれません。

 これらの結果、末広亭の深夜寄席にこんなにたくさんの人が押し寄せているのかもしれません。これはこれでいいのですが、本当にブームなのでしょうか。また、落語がブームになっていいのでしょうか。

 ブームと言う割には、末広亭や池袋演芸場などの本当の寄席には、お客さんは殺到していません。若手の深夜寄席にはどういうわけか長蛇の列ですが、真打がジックリと聞かせる独演会や寄席の昼席、夜席は相変わらず客はまばらです。

 なにより、テレビでも、芸も何もない芸人が笑いを取って人気があるようですが、消耗品みたいにすぐ飽きられるのは目に見えています。そして、テレビで落語や寄席の芸を見せる番組は、全く増えていません。あるのは「笑点」、「日本の話芸」(NHK教育)くらいでしょうか。このような現実で何がブームなのでしょうか。

落語ブームは一過性、それよりも大切なのは

 一番大切なのは、客が増えることも大事ですが、それ以上に質の高い落語家が増えることなのです。志ん朝師匠や枝雀師匠が亡くなり、吉朝さんもその後を追いました。この空いた穴を誰が埋めるのでしょう。現時点では、少なくとも正蔵ではないでしょう。

落語ファンになる方法

 そして、この後継者を育てていくのは、ブームでにわかに増える落語ファンではなく、長年落語を愛し、理解して応援していく根っからの落語ファンなのでしょう。
 
 ここで、落語を興味をもたれた方に、どのような落語を聞いたらよいかですが、寄席に行って聞いても、面白くない落語家の方が多いのです。どんな落語でも面白いのではないのです。自分が、面白く感じる落語家が面白いのです。具体的には、多くの落語家の落語を聞いて、自分に合う落語家を見つけることです。

 落語も古典落語や創作落語と色んなジャンルがありますが、自分と波長のあう落語家を早く発見して、その人の落語を聞くようにすると面白くなると思います。私の場合は、枝雀師匠や三枝師匠などであります。

 落語は、じっくり聴くと本当に素晴らしい日本の伝統芸です。同じストーリーの噺でも、演者によって面白みや聞き所が変わってきて、飽きさせません。

桂枝雀師匠の落語「代書屋」を聞いてみましょう

 ここで、私の大好きな枝雀師匠の落語「代書屋」を紹介します。この噺は、履歴書の代書を頼みに来た男と代書屋とのやり取りが絶品です。パッパラパーな男と実直な代書屋、この二人のキャラクターを巧みに演じ分ける枝雀師匠の話芸はまことに見事の一言であります。

By Jun

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