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2006.07.17

キプロスの農村で実弾射撃? ’70年代英国ヨーロッパ一人旅行記(40)

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 1974年4月2日 キプロス・ファマグスタ ある農村で起きた大事件の顛末

制服警官を撮影

 博物館の見学を終えて、出てくるとトルコ人の警官二人が、待ちくたびれた感じでしかしニコニコしながら立っていました。待たせたことを詫びると、ニコニコと笑うだけ。

 近くの城壁のゲートにトルコ軍の格好の兵士がいたので写真を撮っていいかと聞くと、それは駄目とのこと。完全軍装で、ヘルメットを被って自動小銃を持っており臨戦態勢でした。

Turkish_policemen_at_gate_syukusyoumoji_1 その横に制服警察官もいたので、彼はどうかと聞くと撮影してもいいとのこと。軍事的緊張の高いところでは、カメラの撮影は注意しないととんでもないことになります。

 カメラを警官に向けましたが、ポーズをとるでもなく愛想の無いことおびただしいものでしたが、それも当然なことでしょう。

 私、アルパイ君、そしてトルコ人警官二人の計4人でオースチンに乗り込みました。警官の一人は、この時点で別れました。

キプロスの農村で実弾射撃?

 今度はどこに行くのかなとたずねましたら、「Shooting」(射撃)と答えました。紛争の絶えない土地柄、射撃でもするのだろう、ひょっとしたら実弾を私にも撃たせてくれるかもしれないと期待が高まりました。私も、宗像で空気銃やポンプ銃を撃ったことがありますが、火薬を用いる本格的な銃は経験が無く、多少のガンマニアであった私にとってライフル、拳銃どちらでも撃てることはこの上ない経験となると思いました。

 車は、ファマグスタからサラミス遺跡方面に向かい、急に左折して内陸方面へと入り込みました。やがてアスファルト舗装が切れて砂利道となりました。オースチンのサスペンションは良好で、かなりのスピードにかかわらずショックをよく吸収しています。

 まっ平で何も無いところでした。時々、すれ違う対向車も猛スピードです。やがて、10軒くらいの集落に着きました。ここは、トルコ人の集落でしたが、トルコの国旗も揚げてなく平和な感じがしました。しかし、電柱・電線が見当たらないところから、電気も来てない集落でした。運転手でないトルコ人警官の家がある集落のようでした。

桃のような果実を枝からもいで

 車は、集落の近くの道端に停車しました。彼らは、降りてついてきなさいと言いました。やがて、大きな木の下に来ました。彼らはスルスルと木に登り、バサリと枝を落としました。枝には、小さな桃のような果実が付いていました。彼らは、枝の上でボリボリと桃のようなものをかじっており、笑いながら食べてみなさいと言いました。

 私も、桃のような果実を枝からもぎ取り、食べてみましたが、あまり美味しいものではありませんでした。

 桃のような果実を食べた後、集落(村)に歩いて入っていきました。人気のない本当に貧しい村でした。どういう作物で生活をしているのか分かりませんが、日本の農村は、これに比べるととてつもなく豊かであることは分かりました。警官と言う公務員に就職した彼は、この村では幸せな方かもしれないと思いました。

 私の気配に気づいたアルパイ君は、「ギリシア人との生活の格差は本当にひどい」と顔をしかめながら言いました。

日干し煉瓦の家の中から持ち出した銃とは?

 トルコ人の警官が、日干し煉瓦の家の中に入り出てきました。その手には、銃が握られていました。しかし、それは空気銃でした。内心、とてつもなくガッカリしました。おそらく、家の中には、本物の銃が自衛のためにあるはずだがと思いましたが口には出せませんでした。

 庭には、そこそこ野鳥が飛んでくるのでそれを狙って皆で交代で撃ちました。しかし、野鳥は小さく、照準もいい加減な銃だったので一発も当たりませんでした。

 そこで、トルコ人の警官が、庭で放し飼いになっているニワトリを撃ってみようと言い出しました。そんなことをしていいのかなとさすがに思いましたが、彼は、アルパイ君に銃を渡して、あのニワトリを撃ったらと言いました。

 アルパイ君は、躊躇もせずニワトリに狙いを定めて撃つと、そりゃ近くの野鳥より何倍も大きいものですから見事に命中し、ニワトリは、羽は空中に舞い散らして鳴き声を出しながら逃げまどいました。

 次は君だと言う風にアルパイ君から私に空気銃が渡されました。エーと流石に思いましたが、日土友好のために仕方がないと思い、頭だと死亡するかもしれないので、お尻の方を狙って撃つと丁度その付近に当り、同じように鳴き声を出しながらニワトリは走り回っていました。

庭に乱入してきた老人は?

 すると、急にどこからか一人の老人の男が何やらわめきながら庭に入ってきました。呆然としている私の手から空気銃をもぎ取りなにやら私に強く文句を言っているようですが、トルコ語なのでサッパリ解りません。

 即座に、この家のトルコ人警官が、この老人を引きずるように私達から離れたところに連れて行きました。この老人は、この家のトルコ人警官の父親でした。

 息子の警官と老人は激しく言い合っています。時々、私の方に指を指しながらですので私もどんな話しなのかなと思いますが、トルコ語ですので皆目分かりませんが想像するに

老人:「何故、外国人が庭にいて、空気銃でニワトリを撃っているのか?」

警官:「あれは、友達のアルパイ君の知り合いの日本人で、空気銃を撃ちたいと言ったので家に呼んだ。日本人やアルパイ君がニワトリを撃ちたいといったのだから仕方がないだろう」

老人:「いくら日本人やアルパイが撃ちたいからといって、家のニワトリを撃つこたないじゃないか。」

警官:「あの日本人は遠い日本から来ているのだからそれくらい大目に見ても良いじゃないか。」

 実際に、こんな話なのかどうかわかりませんが、息子の警官と老人はひとしきり激論を交わしていましたが、老人は最後には肩をすくめて、銃を持ったまま頭を横に振りながらどうしようもないといった風で家の中に入っていきました。

 私は、どうなることかと思っていましたが、アルパイ君やもう一人の警官はニタニタ笑ってみている始末でまるで緊迫感はありませんでした。

 後日、この事件を思い返してみると、トルコ民族をはじめとする遊牧民族は遠来の客に対してはできる限りの歓待をする風習があります。そういったことから、この伝統を重んじる老人は、私達の行為を不問にしたかなとも思っています。

 By  Jun


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