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2007.12.19

忠臣蔵の名場面、大石内蔵助と垣見五郎兵衛との相対の場の結末は?

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 日曜日に何気なくテレビをつけましたら、WOWWOWで、忠臣蔵を放映していました。忠臣蔵と言えば、もう10年以上も前のこと、20代前半の若い人達が集まる会合があったとき、何かの拍子に「忠臣蔵を知っていますか?」と尋ねたら、半数以上が「忠臣蔵」という名称さえ知らないことに唖然とした記憶があります。

 確かに時代劇もほとんどない今日、あっても水戸黄門ぐらいで、それも見る事はほとんどないでしょうから、忠臣蔵がどんなものかも知らないのも当然かもしれません。また、知る必要もないと思うのですが、日本の文化を形成するものの一つでもありますので、何とかならないのかと思うこともあります。

 さて、数ある忠臣蔵もののうち、今朝のWOWWOWで見たのは、1958年、大映製作の「忠臣蔵」であります。忠臣蔵の映画の傑作は、この前後に集中しており、松竹、東映そして東宝とそれぞれの映画会社が総力を結集して製作しました。

 その中でも、大映版は、大映オールスター総出演で、私もこの大映版がベストと思っております。大石内蔵助に長谷川一夫、浅野内匠頭に市川雷蔵浅野、岡野金右衛門に鶴田浩二、
赤垣源蔵に勝新太郎と目が眩むような配役ですが、もっと凄いのが脇役陣であります。

 山本富士子、志村喬、京マチ子、中村雁治郎、滝沢修とこれはほんの一部分ですが、全て主役を張っていいような名俳優が綺羅星のごとく出演しております。この忠臣蔵を見るだけで、当時の有名映画俳優が数多く見られる作品はこれをおいて他にはないでしょう。

 このわずか4年前に、黒澤明監督の「七人の侍」が製作されましたが、七人の侍がリアリズムを追求した作品ならば、その対極に位置する徹底した娯楽作品が大映版の忠臣蔵であります。衣装なども豪華絢爛、セットもそれなりに金をかけた造りで見ごたえがあります。

 特筆すべきは、1958年の作品にしては、映像が鮮明で色彩も美しいことです。配役の豪華さと画像の美しさにより、この大映版の忠臣蔵は、ほとんど毎年、テレビで放映されております。東映の忠臣蔵は時たま放映されますが、何と言っても大映版が一番放送回数が多いと思います。

 画像の美しさは、DVDではなく、是非ハイビジョンでご覧いただきたいと思います。私も、数年前の放送分をハイビジョンテープで録画していますが、今でも時折、再生して楽しんでおります。

 さて、大映版の忠臣蔵は、映像だけでなく、物語としても面白いものです。忠臣蔵は、大変多くの物語り群から構成されております。吉良の浅野いじめ、刃傷松の廊下などは有名ですが、俵星玄蕃と夜泣きそば屋の物語は、三波春夫の長編歌謡浪曲「元禄名槍譜 俵星玄蕃」もその一つです。

基本的な刃傷松の廊下、浅野の切腹、吉良邸への討ち入り等は全ての作品に登場しますが、これらの物語り群は、ひとつの忠臣蔵映画に網羅されるはずもなく、大映版忠臣蔵も選択された物語が挿入されています。

 大映版の忠臣蔵の中で好きな物語の一つが、垣見五郎兵衛(大石東下り)の物語です。吉良邸討ち入りのため、大石内蔵助一行は、赤穂から江戸に向かうのですが、道中怪しまれないため、大石は、近衛家御用人 垣見五郎兵衛と言う別人に成りすまし、投宿していましたが、ご本人の垣見五郎兵衛が、宿の看板でこれを見つけて大石の所に乗り込んでくるという一幕です。この大石内蔵助の最大のピンチの結末は次のビデオをご覧ください。(映画の台詞の音が出ますので、ご注意ください。)

「垣見五郎兵衛と大石内蔵助 相対の場」

ビデオは著作権の関係で削除しています。

 相手の正体を知った後、その立場に同情して心から支援をするという物語は、リチャード・キンブルの「逃亡者」の例の通り、洋を問わずおなじみです。この場合、垣見五郎兵衛本人は、大石から見せられた浅野家の紋章と切腹の短刀で気づいたのですが、この気づくまでの間の取り方が、さすが中村雁治郎であります。

 また、見知らぬ関係である大石と垣見の両大将が初めて会うのに、いきなり室内で二人きりにすると言うのも現実ばなれしていますが、双方の家来が、それぞれふすま越しに二人のやり取りを聞いて、刀の鯉口を切ったり、垣見の応対に感じ入ってしまう大石の家来の様子が、場面を盛り上げています。これも、娯楽中心の優れた演出の仕方なのでしょう。双方の家来が、室内に居るとこのような盛り上がりは起こりえません。

 最後に、この大映版忠臣蔵ですが、ご覧になると分かるのですが、とにかく、侍たちがグショグショと最初から最後まで泣きとおしなのです。侍がこんなに泣いていいものかと思うくらい泣きっ放しです。この辺は、もう少しどうにかしてほしい点ですが、所詮、浪花節のかたまりみたいな映画ですから、仕方が無いのかもしれません。

 でも、すごく面白いよ。

忠臣蔵に関する本
古い本から新しい本まで全部忠臣蔵




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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

Ryuさん、今晩は。Junです。
忠臣蔵、意外にに小さな物語は多く私も、全部は把握しておりません。垣見五郎兵衛のエピソードも最近知ったばかりです。大体のストーリーは、皆さんご存知なのですが、こう言った小ネタは未知な方が多いようなので、掲載してみました。
韓国ドラマは、最近、「冬のソナタ」を一部見ましたが、結構面白く見ました。続けてみると面白いかもと思いました。
織田祐二の椿三十郎、同じご心配を私も持っております。三船や黒澤と比較するのが悪いのかもしれません。
三船の椿三十郎を知らない人にとって、どのような映画に映るのでしょうか。
いい映画だなと思ってくれれば、それはそれで結構なことですが、いい映画だなと思わなければその程度の映画でしょう。
私は見るまでもなく、三船の椿三十郎の方がいい映画だと確信しておりますが・・・、

投稿: Jun | 2007.12.22 18:53

Ryuです、お久し振りです。
久し振りに忠臣蔵の一部を拝見し、ストーリーの素晴らしさを想いだしました。神戸出身なので赤穂(浪士)は身近に感じます。今韓国ドラマに嵌まっておりますが、韓国の人たちに見てもらいたい名画ですね!20代の人達にも見てもらいです。椿三十郎、小田裕二主演で映画になっておりますが…

投稿: Ryu | 2007.12.20 11:22

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