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2008.04.13

枝雀と春団治のご存知「代書屋」 落語嫌いの方にもお薦め、

 落語と言う芸術、いや話術はなかなか聞こうとする人はいないようです。今、テレビで落語を聞こうとすると、ほとんど番組がありません。「笑点」の大喜利では、落語家が出てきますが、落語を話しません。大喜利の前のコーナーでは、漫才やコントもありますが、なかなか落語がかかることはないようです。

 福岡では、土曜日の午後2時半からNHK教育で「日本の話芸」で、落語があります。この番組では、30分間も落語の一席をやってくれますので、本格的です。

 笑いを取る番組は、多くありますが、私にとってはほとんどが見るに耐えない代物ばかりです。まず、タレントはいますが芸人がいません。笑いの芸ではないのです。芸とは何かとなると大変難しいのですが、これは見てもらうしかありません。

 そこで、落語の「代書屋」で芸の一部を垣間見てもらいたいと思います。

 寄席、落語が好きな人なら一度は聞いた演目だと思います。代書屋とは、現在の司法書士、行政書士に当たる職業で、色んな公文書を作成する人のようです。

 落語の「代書屋」も、桂米団治と言う落語家が、落語の副業として代書屋をやっていて、その時の経験を基にして創作された新作落語です。新作と言っても、1940年頃に初演されたものです。

 桂米団冶から、3代目桂米朝(人間国宝)に伝えられ、米朝は、さらに3代目桂春団冶と桂枝雀に稽古を付けました。今から、桂春団冶と桂枝雀の「代書屋」を聞いてもらいます。

 ストーリーは、自分の生年月日もまともに言えない男が、代書屋にやってきて、自分の履歴書を書いてもらう、その時のやり取りを面白おかしく話す落語です。小難しいストーリーもない単純明快で、それでいて抜群に面白く、落語嫌いな方にも取り付きやすい、春団冶と枝雀の代表作とも言える作品です。

 同じストーリーの落語でも、演者によってかなり異なる印象を持ちます。静の春団冶、動の枝雀と言った所でしょうか。もちろん、どちらが良いとか悪いとかではなく、それぞれのスタイルを持っています。  なお、春団冶の噺の中では、代書を依頼する男の名が「河合浅次郎」と言っておりますが、これは3代目春団冶の父、2代目春団治の本名であります。

2代目春団冶は、都はるみと岡千秋のデュエット曲「浪速恋しぐれ」のモデルとなった伝説的な落語家です。歌詞の中に春団冶と歌う所が出てきます。

♪芸のためなら 女房も泣かす
 それがどうした 文句があるか
 雨の横丁 法善寺
 浪花しぐれか 寄席囃子
 今日も呼んでる 今日も呼んでる
 ど阿呆春団治

 また、歌謡曲の雑学をもう一つ。春団治師匠の「代書屋」の中で、男の職業が「がたろ」とでてきますが、フランク永井のヒット曲の中にこの言葉があります。

 将棋の王将の坂田三吉を歌った「大阪ぐらし」の歌詞の2番目です。

♪赤い夕映え 通天閣も
  染めて燃えてる 夕陽ヶ丘よ
    娘なりゃこそ 意地かけまする
    花も茜の 夾竹桃

 がたろ横丁で 行き暮れ泣いて
 ここが思案の 合縁奇縁
 おなごなりゃこそ 願かけまする
 恋の思案の 法善寺

 落語、将棋そして歌謡曲と人情あふれる上方、特に法善寺や通天閣界隈の独特な文化が絡み合っているのが面白いと思います。

3代目は、2代目春団治の父親とは異なり大変スマートで端正な落語を聞かせてくれます。

落語家 三代目桂春団治師匠のDVD、書籍等 
「極付十番 -三代目 桂春團治- DVD-BOX」。 書籍「三代目桂春団治」。 CD「上方艶笑落語集親子茶屋 疝気の虫」。

 最後に、桂枝雀師匠の「代書屋」完全版、「浪速恋しぐれ」そして「大阪ぐらし」の音源を載せておきます。それぞれのリンクバーをクリックすると聞けます。

桂枝雀師匠の膨大な資料一覧リスト
マニア必見、上方落語の至宝、枝雀師匠のCD,DVD、書籍等

桂春団冶(初代・三代目)のCD等
三代目が少なく、やっぱり初代か

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15 寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

はるさん、今晩は。Junです。
フランク永井の歌声が生で聞けないのは本当に残念です。紅白歌合戦でも、テレビから流れる音や映像は、格段に良くなっていますが、肝心の歌手の質が落ちてしまっています。音や画像が悪い時代には、質の高い歌手が多かったことから考えるとこれも時代の皮肉なのでしょう。
「紅子のバラード」私も完璧に記憶の彼方です。好きな曲の一つでしたが、「霧子のタンゴ」は思い出せるのですがこれは駄目です。歌詞の一部でもとネットでさんざん探しましたが、歌詞の片鱗すら出てきません。
これほど、ネットから見放された曲も今時珍しいと思います。
どなたか歌詞の一部でも思い出せる方はいますか?

投稿: Jun | 2008.04.18 22:47

Junさん、はるです。

フランク永井は、美空ひばりやちあきなおみと同じくらい
語り継がれる歌い手と思います。
声の良さと幅広いジャンル、大人のムード。
いま、こんなポジションの人はいませんね。

「大阪ぐらし」の作詞をしている石浜恒夫氏はヨット(ヤマハ30のスカンピだったか・・・)で太平洋横断をしています。
娘さんが石浜紅子と言うので、たしか「紅子号」だったと思います。親子二人だけでなく、牛島竜介氏(博多出身のヨットマンで銀狐号で日本から太平洋を渡り、犬を連れて戻ってきた)がヘルプで一緒でした。
アイ・ジョージの「硝子のジョニー」も石浜恒夫氏の作詞ですが、そのころアイ・ジョージが歌っていた「紅子のバラード」は、娘の
紅子さんのことらしいです。曲、詞とも思い出そうとしましたが、もう、すっかり忘れていました。

投稿: | 2008.04.16 22:23

てん子さん、今晩は。Junです。
私のiPodにも、枝雀師匠の落語が沢山入っています。「代書屋」の他は「宿替え」なんかもお気に入りです。
春團冶師匠の代書屋は絶品です。他にも「代書屋」を話す落語家はいるのですが、枝雀師匠と春團冶師匠以外は正直あまりパッとしない気がします。
iPodでも、実は映像を見ることができます。記事で掲載した映像は、私はiPodでも楽しんでいます。
ただし、外部から映像が取り込めるパソコンが必要です。テレビチューナーつきパソコンなら大丈夫ですが、てん子さんのパソコンはいかがでしょうかね。
とりあえず、iPodへのビデオ画像取り込み方の記事を書いていますので参考にならないかもしれませんが、紹介しておきます。
http://ninosan.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/ipod_911e.html

投稿: Jun | 2008.04.14 21:20

久しぶりです。
私のipodには桂枝雀が入ってまして、代書屋はもう何度聞いたかわからない位聞いてます。
桂春團冶の代書屋は初めてだったのですが、桂枝雀とはまったく違ってて面白かったぁ~
やっぱり映像で見れるのがいいですね~ipodじゃ顔の表情や動きが分からないですもん。
いや~っ、楽しかったです。

投稿: てん子 | 2008.04.13 23:07

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