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2008.07.10

「大須演芸場」 奇跡の寄席、名古屋の大衆娯楽の殿堂

 日本の大衆娯楽を楽しむ場の一つとして「寄席」と言うものがあります。基本的には落語を主体とする興業場所なのですが、落語だけではなく、漫才、手品、講談、浪曲等も演じられており、落語以外の出し物を色物と言ったりします。

Img_3066sm   一昔前には、寄席も沢山あったのですが、落語を主体とする「寄席」は、東京には、上野の鈴本演芸場、浅草演芸ホール、新宿末広亭そして池袋演芸場が落語定席としてかろうじて残っています。

 大阪には、寄席とは言えないまでも、演芸場として落語が聞ける場所があります。松竹芸能のB1角座、吉本のなんばグランド花月、baseよしもと、うめだ花月です。最近、オープンしたものに天満天神繁盛亭がありますね。

Ca380475sm  福岡にはもちろん落語が定例的に聞ける演芸場はありません。東京と大阪以外に寄席に準じる演芸場があるのは、名古屋の「大須演芸場」のみであります。

 この「大須演芸場」を訪れる機会がありましたので、レポートしてみます。

 大須演芸場は、1965年に演芸場として開場しました。しかし、その歴史は苦難の連続であり、何度も閉鎖されかかり、例えば、競売で落札したのが支援者であったなど、そのたびに支援の輪が広がり延命してきました。「奇跡の寄席」とも呼ばれる由縁です。

Img_3067sm  大須演芸場は、名古屋のオタク街として有名な大須商店街の一角にあります。例によって、ケータイのGPSナビ機能を駆使して、たどり着きました。

 午後の3時頃でしたが、入り口のロビーと言うか、一角と言うか、とにかくそこには3人くらいの人がいました。私を認めて、60歳以上のおじさんが、来ましたので、入場したいと言うと、4時過ぎには終わるがいいかとのこと。それでもいいと答えると、500円でいいよとの事。

Img_3070sm  大人の入場料が、1500円ですから、3分の一になりました。もっとも、東京の寄席でも主演間際には、割引がありますので、これ自体は珍しいことではありません。

 演芸場の中は、想像したよりもきれいでしたが、それでも床はコンクリの打ちっぱなし。きれいなホールに慣れきった人には抵抗があるでしょう。

 丁度出し物は、「美人演歌 星まゆみ」と絵に描いたような大衆娯楽。なかなか綺麗な女性が演歌を熱唱しています。

Ca380478sm  この熱唱が終わり、次の出し物の間に、辺りを見回してみると客がホントにまばら。数えてみると、私を入れて7人!! 土曜日の午後ですよ、土曜日の午後!

 次が、「そっくりショー なごやのバタやん」。ご存知、「かえり船」の田端義夫、バタやんのそっくりさんです。本物のバタやんも90歳を超えていますが、そっくりさんのなごやのバタやんも、70以上超えているようです。このそっくり芸だけで40年以上も、食ってきたのですから大したものです。

 でも、そっくりとしても、本物のバタやんを知っている人が圧倒的に少ないのですから、本当にこの芸がそっくりなのかどうか、??で見た人も多いのでしょう。

 次に出てきたのが、落語家の「立川平林」。立川談志一門だそうです。演目は忘れましたが、枕(まくら)として本題に入る前に話してくれましたが、今日は7人も!客が入っているとの事。彼の話によると、大須演芸場では、平日、全く客がいないことや一人の場合も多々あるそうです。落語の後の、「かっぽれ」が絶品でした。

 1970年代、あの明石家さんまが、「今日も客なし、明日は?」と大須演芸場の楽屋通路に落書きしたのは有名な話です。

 全く客がいなければ、噺をすることはありませんが、一人でも客がいれば演じなければならないとの事。考えようによっては、平日、ただ一人の客となってみても大変面白いかもしれません。自分にだけ、芸をしてくれることですから、このような体験は、絶対大須演芸場以外ではできないことですから。

 トリは、「めおと楽団 ジギジギ」でした。このコンビは、私も全く知りませんでした。「世田谷系面白音楽」と称して、もう10年近くも活動している芸人です。夫婦だそうですが、傑作なのは、奥さんの「かおるこ」さんが、オデコで弾くピアニカ芸です。これには、私も良い意味で唖然としました。

 最近のテレビのお笑い番組は、一発芸、もはや芸とは言えないレベルなのですが、とにかく当たれば、収入アップし、有名になります。その一方で、確かな音楽性を持ち、練習を重ねて素晴らしい芸を披露してくれるジギジギのような芸人が、7人の観客を前に奮闘してくれています。何かが絶対におかしいと思う。

 大須演芸場は、地方で演芸の灯を必死に守ろうとしているようです。確かに、時代のテンポとは大きくずれているのかもしれません。歴史があり、人間があり、笑いと涙があるのです。

 この大須演芸場が存在できていることだけでも、名古屋の街は大したものだなと思いました。

 なお、以下の大須演芸場の出し物のビデオですが、全て大須演芸場と出演した芸人さんに応援の意味を込めた掲載ですので、よろしくご理解のほどをお願いします。このビデオをご覧になって、一人でも多くの方が大須演芸場に足を運ばれるようお願いします。

○大須演芸場

所在地   愛知県名古屋市中区大須2丁目 場所はここ Googleマイマップ
電話    052-221-1782
興行時間 12時~(1日2回興行、土・日曜、祝日は11時~)
定休日   なし
駐車場   なし

By Jun

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