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2008.08.05

タップダンスの天才、アステアとたけし?

 タップダンス。もう映画でも、テレビでもなかなか見ることができません。今日は、このタップダンスについてお話しましょう。

まず、パソコンから音声が聞こえるようにしてから、次のビデオをご覧ください。

ビデオは削除しています。

これが、タップダンスです。軽快な足音を響かせて踊るのがタップダンス。当然、靴には仕掛けがあって、つま先と踵(かかと)に金属片が打ち付けてあり、床を踏み鳴らしながら踊ります。

 歴史的には、アイルランド発祥ではないかと言われております。つまり、アイルランドにはぬかるみが多く、木靴が用いられてきました。この木靴が、木の床ではカタカタと音を出し、自然と靴で音を出すことに馴染んできたようです。革靴が登場してからは、革靴の底に硬貨を取り付けて、音を出していました。

 米国において、アイルランド移民の文化と黒人奴隷の音楽感覚がミックスされてタップダンスが発達したと考えられています。このことから、タップダンスの元祖争いが、アイルランド系と黒人によっていまだもって行われています。

Fred_astaire_sm 米国でのタップダンサーの二大巨頭が、フレッド・アステアとジーン・ケリーです。今回は、フレッド・アステア Fred Astaire の方に焦点を当ててみましょう。

 最初のビデオで踊っていたカップルの男性がフレッド・アステアその人です。ちなみに、相手の女性は、タップの女王、エレノア・パウエルです。

 1940年のMGM製作、「踊る紐育(ニューヨーク)」からの1シーンです。ちなみに、バックの音楽は、名曲「Begin the Beguien ビギン・ザ・ビギン」です。この曲は、フリオ・イグレシアスの歌でリバイバルとなりました。 

アステアの本名は、Friedlich Östlritz(フリートリヒ・エーストルリッツ)と言い、ドイツ系米国人です。幼少の頃から、姉とコンビを組んで劇場を巡っていましたが、1933年にMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)にゲストで映画デビュー。RKOと契約し、ジンジャー・ロジャースとコンビを組み、名声を博しました。アステアの歴史を語ると、いくらページがあっても足りませんので、これくらいにしておきます。

 アステアの最大の特徴は、映画において、自分の踊りをキャメラワークに優先させたことです。つまり、キャメラマンに「ダンスの詳細を細大漏らさず、ワンショットで撮ってほしい」と要求したことです。つまり、顔のアップやコマ割(分割)等を全くせず、ほとんど定位置からズームなしで撮影させたことです。

 上のビデオでもその主張が貫かれています。また、このことは、ダンスの最初から最後まで、ワンショットで撮りなおしがありませんから、ミスは許されず、血のにじむような練習と天才的な才能が必要とされたのです。

 次のビデオは、1946年の映画「ブルースカイ」の中の「Putting on the Ritz」と言う曲です。歌詞の内容は、「気が滅入った時、どこにも行くあてが無い時、Ritzホテルに行きましょう。そこには着飾った人達がいて、楽しい時を過ごせます。」みたいなことです。

 このダンスを、アステアのベストダンスに選ぶ人も多い名ダンスシーンですが、バックダンサーの8人は、実はアステア本人です。合成画像ですが、普通、1回撮れば、後はコピーできるのですが、ここが名人たるゆえん、アステアは8回踊って撮影しました。そのため、微妙にステッキの位置等が違います。あまりに完璧なダンスのため、普通の人にはコピーに見えます。

 カット割がありますが、映画効果のテクニック上行われており、ダンス自体はほとんどワンショットで撮られています。シルクハット、燕尾服そしてステッキのスタイルはアステアのトレードマークみたいなものです。また、床に置いたステッキが手に上がってくるシーンは、フィルムの逆回しですが大変面白い効果です。

 下のビデオは、1951年の映画「恋愛準決勝戦  Royal Wedding」より、帽子掛けと踊るアステアです。ダンスの名手であるアステアに対して、ハリウッドでは長年、「アステアは帽子掛けとも踊れる」というジョークがあり、これを本人が聞いて、実際にやって見せたのがこのシーンです。

 アステアの話になると、もっともっとあるのですが、ここら辺にしておきます。さて、これほどの天才、アステアを尊敬する日本人芸能人は多いのですが、立川談志師匠もその一人。師匠の話の中には、アステアとジンジャー・ロジャースのことが良く出てきます。師匠本人も、銀座で偶然アステアと出会い、サインを貰ったことがあるとのこと。

 また、ビートたけし氏(以下 たけし)もアステアのファンです。浅草の修行時代、フランス座のエレベーターで当時の有名芸人である深見千三郎氏に弟子入りを直訴した時に、「お前は何か芸ができるのか?」と聞かれ答えられないでいると、深見氏は軽快にタップを踏み、「こういうのでも練習するんだな」と弟子入りを許したというエピソードがあります。そのあまりの格好良さにたけしは、深く感動したそうです。

 このことからも、たけしはタップを踏むことができます。その証拠が次のビデオです。

ビデオは削除しています。

最後に、福岡でのタップダンスシーンですが、実は、博多にもタップダンスを専門に見せてくれるレストランシアターがありました。場所は、旧玉屋デパートの筋向い、親和銀行の付近だったと記憶しますが、店の名前は「タップキッズ」。毎晩、タップダンスのショーがあっていました。1980年代だったような気がします。日本のタップダンスの重鎮、中野ブラザースも関与していたようです。

 ある時、私が店に行ったら、丁度、テレビの収録があっていました。客の感想をそれぞれインタビューしており、私にもマイクが向けられたので、アステアやジーン・ケリーの薀蓄を3分くらい話したのですが、放送された番組では、私の場面は、「良かったです。」の所だけで僅か3秒!! ガックリしたのを今でも憶えています。

By Jun

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コメント

yokoyamaさん、お早うございます。Junです。
サンパレスで、タップダンスの公演があったのですか。それは知りませんでした。
記事にも書いているように、アイルランドとタップダンスは歴史的な経緯があります。
歴史や文化に裏打ちされたパフォーマンスには、感動をもたらしてくれますね。
タップダンス教室は、福岡市内にも無いのでしょうかね。そもそもタップダンスがあまり知られていないことかもしれませんね。
残念です。

投稿: Jun | 2008.08.08 06:45

おはようございます。タップダンス、「たけしの誰でもピカソ」と言う番組を見て興味を持ち、先月サンパレスで行われた「リバーダンス」を見に行きました(^-^)
2時間公演だったんですが、始まる前は「2時間、タップダンスって・・・どうかな?」と思っていましたが、さすが本場アイルランドの演出。見事に飲み込まれ、あっという間の2時間でした(笑

私自身、興味を持ち、タップダンス教室を探してみたんですが・・・ やはり近くには無いですね(笑

投稿: yokoyama | 2008.08.06 08:03

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