トルコ・イスタンブール旅行記 トラムと公衆マナー
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2008年9月10日(水)午後
電話局に寄った後、イスティクラル通りを走るトラム(チンチン電車)に乗りました。このトラムは、イスティクラル通りのタクシム広場から世界一短い地下鉄の駅、チュネルまで走っていますが、これまたわずか全長で1.6Kmしかありません。
アルパイ君も乗らずに歩く距離でしたが、私の経験のためにトラムに乗ってくれたようです。イスタンブールでとラムと言うと2種類あります。一つは、英語でmodern tramと呼ばれるもので、近代的な車両のトラムです。これは、路面電車なのですが、かなり広いネットワークを持ち、イスタンブール市民の足として地下鉄並みに利用されています。
もう一つが、heritage tramと言うもので、今回私が乗ったチンチン電車です。そもそもイスタンブールの路面電車は、1872年に始まった horse tramで、これは馬が引いたトラムです。
しかし、このトラムも都市化と交通渋滞のために消えていきました。この辺は、日本でも同じ事情ですね。ところが、1990年頃になると、路面電車の見直しがあり、再び導入されました。イスティクラル通りのチンチン電車も1990年に開通されました。
このイスティクラル通りの heritage tram は、市民の実用的な足と言うより、観光客や市民にノスタルジックな郷愁を与えてくれる感じです。始発の駅から終点までの距離がわずか1.6Kmですから、歩いてもよい距離です。
私が、このトラムに乗って経験したことは、ビデオでも映っていますが、老婦人が乗り込んでくると素早く席を空けてくれる人がいることです。この場合だけでなく、老人や妊婦が乗ってくると、席を譲ることはごく普通に何の躊躇もなく行われます。
私が若い頃、電車で本を夢中になって読んでいると、靴の先を誰かがつつきました。目を上げてみると、おじいさんが傘の先で私の靴をつついたのでした。つまり、老人が目の前にいるのだから、席を空けろと言いたかったのでした。
若かった私は、すぐさま寝たふりをしました。この様子を見かねたのか近くの人が席を空けてくれました。
これが、イスタンブールでしたら、私が気づかなくても、周りの人がすかさず老人に席を譲ってくれたにちがいありません。また、人の靴を傘の先で突っつくような老人もいないと思います。
この公衆マナーは、日本と比べると格段の差で、見ていると本当に感心します。イスラム宗教のせいなのか、はたまた学校や家庭での教育がいいのか、素早く何のてらいもなく行われるのは見事の一言。
それとイスタンブールの街の通りに、奇抜な髪型や服装の若者がほとんどいません。自由な福岡市がいいのか悪いのかどうかわかりませんが、まともな感じの若者しかいません。また、自動販売機もありませんし、パチンコ等のギャンブル場、ゲームセンターも見当たりません。
長く住んでいないので、このような街が本当に居心地がいいのか、住みやすいのか分かりませんが、ロンドン、東京、ニューヨーク、福岡とは異なる世界であるのは間違いありません。これも、イスラム世界の街だからなのでしょうか。
イスティクラル通りのトラムの後は、普通のトラムに乗ってガラタ橋を渡って、旧市街のスレイマニエ・ジャーミィ(モスク)に行きました。その途中で、銅器屋さんに寄ると、アルパイ君がコーヒー沸かし器を買ってくれました。これは、トルココーヒーを淹れるための道具で、コーヒー豆を入れて煮沸して、成分を煮出します。
スレイマニエモスクにも行きましたが、生憎修理中でモスクの中には入れませんでしたので、その横にある霊廟に行きました。オスマン帝国のスレイマニエ大帝とその夫人の棺があるところです。
ここで、アルパイ君は、例の通りトルコ人の観光客のグループ3人に話しかけると、この人達がまた話好きで、何を話しているのかはトルコ語で分かりませんが、スレマイマニエモスクに関する歴史や逸話などを話しているようでした。この会話は1時間以上も続きましたが、実に楽しそうな会話でした。
By Jun
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